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『魔王』とはどのような小説なのか

 希望を失い、無気力に陥り、テレビを見て時間をつぶす日本の若者たちの前に、ある日犬飼というカリスマあふれる政治家が登場する。

 主人公の安藤は、犬飼の言葉に魅了された青年たちが集団催眠状態に陥るのを見て恐怖を覚える。安藤は自らの超能力を発揮し、犬飼との対決に臨むが、別の超能力を持つ犬飼の支持者によって命を落とす。

 この小説に描かれた政界の風景は、韓国の読者らにも示唆するところが大きい。「数千万人の人がある目的を持ち、広場にロウソクを持って集まったとしよう。万が一、そのようなことが起きたならば、世の中で起きている大部分の問題は解決されるだろう」と群衆を扇動する政治家、日本人サッカー選手が米国人に刺し殺された事件をきっかけとして反米感情が巻き起こり、普段仲良く暮らしていた元米国人(日本国籍を取得)の家を焼き討ちにする若者たち、「米国は世界で最も多くの爆弾を落とした国」などの非難の声が登場する。

 ヒョスン・ミソン事件(2人の女子中学生が米軍の移動車両にひかれ、死亡した事件)や光化門で開かれるキャンドルデモ、韓国外交通商部長官の「米国は世界で最も多くの戦争をした国」発言などと重ね合わせて読まずにはいられない部分だ。

 伊坂幸太郎は「10年後の日本で起きるかもしれない状況を仮定して書いた小説だが、韓国で似たようなことがあったとは知らず、驚いている」と語った。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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