【社説】次期大統領を選ぶ年の始めに(下)
現状では、次期大統領に要求される第1の素質は、寛容と和解の精神だ。現政権は過去4年間、韓国やその国民を敵味方に二分し、居住地域によって、あるいは階層によって色分けした。こうした盧武鉉大統領のやり方は社会に憎しみやねたみ、摩擦や分裂、反目や不和を生み、報復の雰囲気をあおった。
まずはこの過程で国民の心に生じた傷を癒やさなければならない。この症状を治療しない限り、韓国はこの先一歩も先に進むことはできないだろう。韓国社会に巣くう恨みつらみをきれいに洗い流し、心を開き話が通じる雰囲気を作らなければならない。
「身有所忿、則不得其正(身に怒りがあるときには、正しい判断はできない)」と言う言葉もある。次期大統領を目指す人々の言葉と行動の裏に、怒りや恨みが潜んでいないかどうか分析してみる必要があるという話だ。四六時中怒ってばかりいる大統領と、その大統領の怒りに接して暮らす政府関係者たちが、国を分裂させ、国民を疲弊させた空白の年月を、また繰り返すわけにはいかない。
次に国民が必ず検討すべき項目は、大韓民国とその歴史の正当性を認めるかどうかという問題だ。第2次世界大戦後、これまでに140カ国が植民地から独立し、新しい国を建てた。彼らには自由民主主義体制と共産主義独裁体制という、大きく分けて二つの選択肢が用意されていた。
1948年、大韓民国の建国者たちは自由民主主義体制・市場経済の道を選択し、韓国はその道をまい進することで60年前の最貧国から発展し、世界で12番目の経済大国にまでなった。世界経済の拡大成長の波をリードしてきた西側陣営の一員として、米国を同盟国に選んだ大韓民国の先達(せんだつ)の知恵と決断がもたらした奇跡だ。
金日成(キム・イルソン)・金正日親子が君臨してきた北朝鮮は、同期間に独裁や世襲、停滞の道を歩み、結局は全人民を人間としての極限状態に追い込む不良国家に転落した。
次期大統領は、大韓民国が歩んできたこの「成功の歴史」、「奇跡の歴史」を「後退と堕落の道」であると思いこませようとした現政権のエセ改革と決別する必要がある。
韓国は必ず成功しなければならないという国民の意志の強さで成功の階段をはい上がり、世界で10位台にまで発展した、ほかにあまり例のない経験を持つ。寛容と和解の精神に富み、大韓民国とその歴史の正当性を認める人物を選ぶことにさえ成功すれば、韓国は新しい目標の下、また希望に向かって走りだすことができる。
次期大統領選が行われる2007年12月19日は、韓国の国民が適切な新しい指導者を選択し、世界から尊敬されるような国を目指す上で、運命的な一日となることだろう。
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