【コラム】「盧大統領の精神状態はまとも」なのか(上)
この時大統領がまくし立てた言葉を文章にしてみたところ、200字詰め原稿用紙で102枚にもなった。驚くべきはその分量ではない。単語一つ一つが想像を絶する毒気を放っていた。
大統領は70分間にわたって国民をこき下ろし、先達たちをあざ笑い、軍をばかにして、大韓民国の歴史を侮辱し、自らが任命した前首相に責任をなすりつけ、同盟国に言いがかりをつけ、新聞を愚弄(ぐろう)した。国民や歴代の指導者、韓国軍、大韓民国や同盟国、新聞が、次々と大統領の独善主義の犠牲となった。この無差別攻撃から無傷でいられたのは、盧大統領から「常識がある」と評価された北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記しかいなかった。
この日の大統領には実に「盧武鉉らしさ」がよく表れていた。ありのままの「人間・盧武鉉」の中身や考え方に触れた思いだ。しかし「盧武鉉らしい盧武鉉」は、決して「大統領らしい大統領」ではなかった。「大統領らしい大統領」なら、国民に対し、こうした言動を行えるはずがない。
盧大統領が語ったように、韓国民は「米国のズボンのすそにしがみついて、そのお尻の後に隠れ、僕は兄さんをどこまでも信じるよ」などと言ったことはない。また韓国民は米国が韓国から「もう帰ります」と言ったからといって発作を起こしたこともなければ、米軍の2個師団が外れたらみな死んでしまうかのように恐れおののいたこともない。ましてや大統領とその部下に「四六時中安保問題について騒ぎ立てて欲しい」と要求したこともない。これらはすべて大統領の創作に過ぎない。
盧大統領はかつて弁護士や判事を歴任した。その大統領がこうした事実無根な話を持ち出して、韓国民の名誉を傷つけたのだ。世界は広しと言えども、自国民をこんな風にこき下ろす大統領がほかに存在するだろうか。盧大統領は国民を甘く見ている。しかし自分が大統領になれたのも、かつて国民が票を投じてくれたからだ。今度はその国民から手痛いしっぺ返しを食らうことになるだろう。国民はこの日受けた屈辱を忘れない。
盧大統領は今年還暦を迎える。戦時作戦権問題に関し、盧大統領にどうか話を聞いてくれとした韓国軍の元幹部たちは、そのほとんどが80歳を越えている。大統領が産声を上げたころ、韓国戦争(朝鮮戦争)の戦火の中を戦っていた人々だ。名も知らぬ山野に戦友や上官や部下を葬り、遺体の代わりにアルミニウム製の軍籍番号札を持ち帰りながら、涙を流したかつての兵士たちだ。
大統領はこの老兵たちからの一度だけ会ってほしいとしいう要請をにべもなく断り、その時間に「ノサモ(盧武鉉を愛する会)」の会員らを呼んで、食事会を持った。そんな対応をしておきながら、盧大統領は彼らに「胸章をつけてやれ国防長官だ、参謀総長だと偉そうに振る舞ってきた」と暴言を吐いた。さらには「職務を放棄しているも同然だ。恥を知るべきだ」と叱責しさえした。
姜天錫(カン・チョンソク)主筆
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