韓国近現代史教科書、どのように改められたのか(上)
軍事クーデターや維新独裁も称賛
「代案教科書」は、朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が1961年に起こした5・16軍事クーデターを「革命」と表記し、維新体制(1972年の憲法改正を通じ、朴正煕大統領が独裁を敷いた体制)を肯定的に評価するなど、現行教科書とは明らかに異なる歴史観が盛り込まれている。
◆「朴正煕時代」に対する異なる見方
多くの高校で採択されている金星出版社の韓国近現代史教科書は、5・16軍事クーデターを「軍事政変」と表記している。一部軍人らが政変を起こし、政権を掌握したという書き方だ。当時の経済発展についても、「政権の正当性を確保するため、経済発展に努めた」と限定的な評価にとどめている。また、維新体制についても、金星出版社の教科書は「憲法の上に存在する大統領」「韓国的民主主義という名の下、民主主義ではなく独裁体制へ進んだ」と否定的に記述している。
一方、代案教科書は5・16軍事クーデターを「経済発展の画期的契機となった革命的事件」と捉え、「5月革命」と表記した。その内容は「5月革命を契機として登場した統治集団は、統一至上主義の危険性と原理主義的民主主義観の非現実性を確信し…(中略)…特有の推進力でそれ(国家発展)を成功裏に主導した」というものだ。10月維新体制については「大統領の終身執権を保障する体制」としつつも、「行政的な観点からは…(中略)…国家の資源動員と執行能力を大いに高めた体制」と評価した。
また、「韓国が世界最貧国の位置から中進国の列に加わることができたという面から、朴正煕モデルは成功したと評価するほかない」としている。
◆4・19は革命ではなく学生運動
代案教科書は4・19を「4・19革命」ではなく「4・19学生運動」と表記した。また、「4・19以降、学生運動組織が牽制(けんせい)を受けない権力として浮上した…(中略)…4・19以後の学生らのスローガンは、不正腐敗や民主主義の原則確立を求めるものから、急速に社会主義的な方向への変化を求める反体制的なものへと変化していった」という記述も出てくる。
1980年の5・18光州民主化運動についても、代案教科書は名称こそ「5・18民主化抗争」と表記したが、「光州で新軍部に対する激烈な抵抗が発生したのは、これまでの経済発展や中央の権力から疎外され続けた不満がたまっていた上に、同地域出身の金大中(キム・デジュン)が逮捕されたという知らせが怒りを呼んだために起きた事件」と記述し、純粋な民主化運動以外の側面を強調している。
一方、金星出版社の教科書は「“ソウルの春(1979年の朴正煕大統領の暗殺直後に起きた民主化ムード)”が新軍部によって挫折させられたのに対し、全斗煥(チョン・ドゥファン)の強権政治に最後まで抵抗した事件」と評価している。
崔宰赫(チェ・ジェヒョク)記者
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