【コラム】日本駐在韓国人家族が帰国を恐れるワケ
東京で4年間暮らし、先日韓国に帰国した某企業の職員がため息をついた。「子どもたちを4年間日本の学校に通わせた後、韓国に戻ってきたら最悪の成績を取ってくるようになった」と話した。「一体、何等だったのか?」と聞くと、「恥ずかしくて口にすることもできない」と答えた。「また日本に戻ることもできないし…。最初から日本に連れて行かず、ソウルで母親と一緒に暮らしながら韓国の学校に通わせるべきだった」と激しく後悔している様子だった。
東京駐在員らが韓国に帰国する頃になると、最も心配するのが子どもの教育の問題だ。世界で最も勉強するという韓国の子どもたちに、果たしてきちんとついて行くことができるのかという懸念からだ。その心配は子どもたちを韓国から日本へ連れて行くときよりも大きい。記者が東京で勉強をしていた8年前までは、差別や言葉の問題、いじめなどを取り上げ、「日本の学校に行かせても大丈夫なのか」と心配する人が多かった。従って、韓国駐在員らは自分の子どもを新宿のインターナショナルスクールに通わせたものだ。しかし最近の駐在員が子どもたちを新宿のインターナショナルスクールに通わせるのは、もはやいじめの問題ではなく、勉強をさせないことで有名な日本の学校に通わせたら、劣等生になってしまうと懸念するからだ。いじめよりも韓国に戻った後の方が心配という状態だ。
もうひとつの心配事は「家」。東京に滞在している間、韓国で繰り広げられていた江南ブームに乗れなかったという不安感がある。日本に行く際に家を売却した人々は「乞食になって故郷に戻る気分だ」と話す。江南と非江南がここでも二手に分かれる。手腕家の駐在員の中には東京滞在期間の間、妻が韓国と日本を行き来しながら「江南入城」に成功したケースもある。東京ではみな同じような町で、同じような滞在費を受け取り、同じような食生活をして暮らしてきた人々が、むしろ本国に戻ってから貧富の差が歴然とするという。
もちろん日本にも裕福な人々の住む地域とそうでない地域がある。「東京の江南区」といえば「世田谷区」と答えるケースが多いが、あえて「渋谷区」と答えても「港区」と答えてもたいして大きな問題ではない。むしろ「新宿区」と答えても差し支えないだろう。これは日本においては韓国のようにすべての金持ちが江南区にだけ住んでいるわけではないからだ。だから日本では「お住まいは?」と普通に聞くことができる。「世田谷区」と答えても「うわー!」と羨ましがられるようなことはない。少なくとも「江南じゃないですよ」というようないじけた答えを返すような人はいない。このような平等な環境の中で数年間暮らしてきた駐在員たちが、韓国に戻ると強い違和感を覚えるという。
簡単に言えば、日本でのんびり暮らしたあと、韓国に戻ってくると、子どもも学校でバカ扱い、親も社会でバカ扱いされる可能性が高いということだ。だから東京駐在員の中には帰国前に、家を探すために江南で不動産めぐりをしたり、帰国前に子どもたちに家庭教師をつけるケースが多いという。
しかしそれも良い方向にも考えられる。「韓国の子どもたちがこんなに勉強をしているのであれば、20年後には韓国が日本を追い越すことができるだろう」という希望だ。日本が先進国入りしたのは1960年代。日本の親たちの教育ブームが大きな役割を果たした。しかし生きることとは何か、幸せとは何であるかと問われれば返答に困る。それは人間の本質的な側面で、われわれが日本の国民に比べ、明らかに肩の凝る毎日を送っているからだ。
東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
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