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【社説】「核とミサイルで韓国を守っている」という北朝鮮

 北朝鮮の権虎雄(クォン・ホウン)内閣責任参事は12日、釜山で開かれた南北閣僚級会談で「われわれの先軍政治は韓国側の安全をも図るもので、韓国側の多くの民衆が先軍の恩恵を受けている」と話した。

 権参事はまた、韓米合同軍事演習の中止、国家保安法の撤廃などを要求し、50万トンのコメ借款と軽工業原料の援助を要請した。

 まるで、北朝鮮が核とミサイルで大韓民国政府と国民を保護してやっているのだから、その代価を払ってほしいと言わんばかりの内容だ。北朝鮮も行き着くところまで来たようだ。

 しかし北朝鮮が、何の理由もなくこうした行動に出ているわけではなかろう。

 北朝鮮の党・政府機構で最も力を有する機関は対南工作部処だ。これらの機関は韓国内部の動きを綿密に分析し、韓国内部をかく乱するのが任務だ。

 北朝鮮は、今回のような出方をした場合に、韓国側の同調勢力らが「北の核とミサイルも結局はわが民族のものだ」と拍手し、歓迎するだろうと予想したか、あるいはそうしむけるよう事前に手を回しておいたことになる。

 もちろんこの場合にも、韓国政府は民族がどうこうというあまり意味のない言葉を発しながら生ぬるい対応を取るだろうと予想し、そうなれば韓国民のほとんどが韓国政府と一部の親北朝鮮勢力に背を向け、ひいては韓国政府の弱体化、国民世論の分裂を招くことまで読んでいたはずだ。

 過去50年間に北朝鮮が一貫して打ち出してきた対南赤化工作の核心は、まさにこうした「統一戦線」策動だ。

 今回の閣僚級会談が開かれる前、米国は北朝鮮のミサイル発射について「何事もなかったかのように済ますわけにはいかない」として、韓国が立場を明確にするよう希望し、韓国の外交部や国防部からも閣僚級会談を延期すべきとの意見が上がった。

 しかし統一部は「対話で解決していこうと言っておきながら、対話を拒否するのは道理に合わない」とし、会談実施を主張した。同時に、まるで会談が開かれればミサイル発射について強く糾弾するかのような姿勢を見せた。そして審判官として登場した大統領は、統一部の意見に同調した。

 しかし北朝鮮はこのような経緯で開かれた会談の場で、ミサイルによって大韓民国と韓国民を保護してやっているという奇怪な政治宣伝を行い、韓国は「(そのような主張は)論理に合わず、受け入れられないので、今後はそんな主張はしないでほしい」と北朝鮮に懇願した。

 すべてが北朝鮮の望むとおり、予測したとおり、仕組んだとおりに展開するのが、今の大韓民国の実情だ。そして統一戦線のわなが大韓民国の首を絞めている。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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