【記者手帳】CIAの高句麗史陰謀論?
「韓国が高句麗を自国の歴史だと主張する背景には、米国の中央情報局(CIA)の陰謀が隠されている。これは中国を解体して、韓国に満州を支配させようというものだ」
韓中間の高句麗史論争と関連して、韓国を非難する内容の怪文書が中国インターネットを出回っている。
著者は「海外に住む普通の中国人(華人)」だというこの文書のタイトルは、『中国の解体、満州の合併-高句麗論争を通じて見えてくる、韓国のわが国(中国)の領土に対する野心と背後にある米国の役割』。長い論文の形式で書かれたこの文書は、満州を中国から切り離そうとする米国の計画によって韓国の学者とメディアが高句麗史をねつ造していると主張している。
しかし、この文書のいたるところで基本的な歴史事実と食い違う部分が目につく。「高句麗が滅びてからおよそ200年後、新羅が百済を滅ぼして、王氏高麗を建国した」「現在の北朝鮮の領土は、明国の皇帝が朝鮮に払い下げたもの」などだ。これらは文書をまとめた人物の歴史知識の水準を物語るものだ。
この文書には嫌韓の雰囲気が露骨に表われている。「御上の米国」に助けられた「韓国傀儡(かいらい)」が、東北3省を危険に陥れているうえ、韓国の学界が最近中国に抗議しない理由は、「自ら筋が通らないことに気づいたため」と主張する。
この文書がインターネットを通じて驚くべきスピードで拡散している。中国ヤフーを検索するだけでも同じ文書が640件も出てくる。中国政府はこれまで高句麗史の論争の実情を自国民に公式に知らせたことはない。
ただでさえ今の中国では、経済発展によって得た自信を背景に民族主義が非常に高まっている。中国当局が傍観するなか、こうしたとんでもない主張が13億中国人の民族主義的感情を刺激すれば、それはどんな結果をもたらすだろうか。
ユ・ソクジェ記者
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