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「韓国で最もノーベル賞に近い男」 ソウル大の金鎭義教授

 大韓民国はオリンピック総合9位、国内総生産(GDP)世界11位の経済大国だ。しかし、科学分野では、まだ1人もノーベル賞受賞者を輩出していない。

 果たして誰が韓国人初のノーベル科学賞受賞者になるだろうか。科学者たちは、「論文引用指数」を見ればその答えを予想できるという。科学では論文の数より質、つまり他の科学者たちの論文に引用されるほど重要なものかどうかが判断の基準になるためだ。

 論文引用指数に照らせば、国内でノーベル科学賞にもっとも近い人物は、ソウル大学物理学科の金鎭義(キム・ジンイ)教授だ。

 金教授がこれまで発表した157編の論文は、合わせて5040回も他研究者の論文に引用された。ちなみに、ノーベル物理学賞受賞者たちの平均引用指数は5508回、科学賞は4871回。引用指数だけを考慮すれば、ノーベル賞にもっとも近いといえる。

 金教授が世界の科学者たちの注目を集めたのは1987年、「宇宙はいったい何からできているのか?」という人類にとってもっとも根源的な疑問に対する一つの答えを提示したためだ。

 科学者たちは宇宙の70%は、粒子とは異なり互いに押し出す性質を持つ「暗黒エネルギー」が占めていると見ている。このため、宇宙は加速膨張を行う。残りの30%は粒子。問題は宇宙に存在する全ての星を合わせても、宇宙全体の質量(エネルギー)の5%に過ぎないという点にある。

 金教授は、電子質量の1000億分の1に過ぎない「アクシオン(axion)」という仮想の素粒子を宇宙に潜む25%の「暗黒物質」として示した。

 現在、アクシオンは、ウィンプ(winp)とともに暗黒物質のもっとも有力な候補として認められている。仮に、アクシオンが実在することが判明すれば、宇宙が問いかけた最初の謎を解き、宇宙の過去と未来について説明することができる。科学者たちは、もしそうなればノーベル物理学賞もただの付随的な成果に過ぎないと述べている。

 金教授はソウル大学化学工業学科を卒業して、米国のロチェスター大学で物理学博士号を取得し、1980年ソウル大学に赴任した。

 これまで1987年第1回韓国科学賞、2002年科学技術勲章革新賞、2003年第1回大韓民国最高科学技術人賞を受賞した。2003年には受け取った賞金のうちの5000万ウォンを若手物理学者への賞の制定にと、快く寄付したこともある。

 金教授は常に弟子たちに「研究の最前線に立って学問の動向を正確に把握してこそ、解決すべき問題が何か見えてくる」と強調する。そのため、弟子たちも彼の前では常に緊張を緩めることができないという。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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