金正日総書記の「非正常」首脳外交
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の中国訪問を見ていると、北朝鮮と金総書記がいかに予測のつかない存在であるかを実感させられる。
金総書記の特別列車が今月10日未明、北朝鮮と中国の国境に面している丹東駅を通過したという事実以外に、目的地がどこなのか、そこで誰に会うのかなど、すべては五里霧中だ。
ある西側のメディアが、金総書記がすでに中国訪問を終えて、今月11日ロシアに赴く予定だと報じている一方、他のあるメディアは列車ではなく、飛行機に乗って中国に着いたと報道しているくらいだ。
国家のリーダーによる首脳外交のスケジュール全体が、このように謎に包まれている国は、地球上に北朝鮮しかないだろう。こうした異常な首脳外交のもっとも大きな原因は、もちろんセキュリティーの問題だろうが、唯一の同盟国にすら、こういうふうに行き来しなければならないのに、その国の運命が順調に進みようがあるまい。
このままでは、北朝鮮の労働新聞などが今年の年頭記事で明らかにした、「共和国の自主的尊厳性と対外的権威を力強く誇示」することなど、果たしてできるだろうか。
金総書記の秘密訪問が、身の上の危害を懸念したためのものとしても、世界の目には、時代遅れの国家の時代遅れのリーダーの姿にしか映らないだろう。
ただでさえ国際社会で北朝鮮は、背中には核兵器を背負い、両手には偽造紙幣と覚せい剤を持っている国、人権という言葉すら存在しない国と認識されているのではないか。
外交消息筋たちは、中国国内でさえ、北朝鮮のこのような前近代的外交手法をいつまで容認するのかという批判の声が強まっていると伝えている。
数千キロメートル及ぶ鉄道に警備員を立たせなければならないなど、予算と人手の浪費が並大抵ではないためだ。北朝鮮の唯一の同盟国という中国は、その同盟国のためにも、こうした時代遅れの外交手法を正常化するよう忠告すべきだ。
潘基文(パン・ギムン)外交通商部長官は、金正日総書記の訪中と関連し、「(中国からは)韓国側に何の通報も確認もしてきていない」と明らかにした。
この言葉が事実ではないことを祈るばかりだが、それが真実ならば、韓国政府は今回、中国との「情報協力」、さらに米国との協力がきちんと行われているかどうかを点検してみる必要がある。
北朝鮮にような不安定かつ不確かな国について、情報の把握くらいはしておかないと、不安は募るばかりだ。
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