現代グループと北朝鮮が神経戦 双方の次の切り札は?
12日、現代(ヒョンデ)グループの玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)会長の対国民発表以後、北側と現代グループの間には相変わらず緊張した空気が漂っている。
玄会長は「対北事業の岐路」という表現まで用い、この局面を最後の「背水の陣」と規定した。北側は現代を対北事業のパートナーから排除することもできるとの点を、直・間接的に表現している。
だとすれば、この先出される双方のカードはどのようなもので、その損得はどうなのか。
玄会長が北側の金潤圭(キム・ユンギュ)副会長の一線復帰要求を真っ向から否定した対国民発表を1つ1つみると、玄会長の決然とした意志が感じられる、というのが共通的見解だ。
しかし、玄会長が対北事業の放棄を本当に受け止めるかは、まだ未知数。
北側もやり過ぎと思われるほど、現代峨山(ヒョンデアサン)と玄会長を強烈に追い込んできた。
12日以後は意外と静かになっている。ひとまずは、内部で今後の立場を綿密に調整しているものとみられる。しかし、北側が玄会長の意向を受け入れるとは考えにくい、との見方が有力だ。
金潤圭副会長に対する一線復帰の要求が、単純な資金や義理のためではなく、金正日(キム・ジョンイル)総書記の意思と直接関係しているため、というのだ。
▲玄貞恩会長が差し出すカードの損得
現代グループ対北担当役員は、玄会長の対国民発表文と関連、「現代グループ内のリーダーシップ固めに大きな役割を果たす」と肯定的に評価した。
実利的な面も考慮したはずとの見方だ。玄会長は、対北事業が例え中断する羽目になってもこれ以上失うものがない、と判断したようだ。
対北事業は ▲北側の可変性 ▲長期的な計画推進にともなう不安感 ▲独占権の保障問題に対する不確実性、など変数があまりにも多過ぎた。
開城(ケソン)観光や白頭(ペクトゥ)山観光事業は大した儲けにつながらないとの分析も、玄会長の反発を促した一要因とみられる。
現代峨山の関係者は「北側がうちから流れる金の味をしめた」とし、「開城観光事業をめぐる話し合いでは、現代峨山は観光客を集めるだけで、残りの付帯事業の収益は北側がそっくり持ち帰る、といった姿勢もみせていた」と話した。
また、「玄会長が対北事業に終止符を打つための大義名分作りに出た可能性もある」との考えも示した。
現代商船や現代エレベーターなど主力会社の経営実績が好転するなど、グループ経営は安定した状態が続いている。リスクが大きく、今すぐ儲けにつながらない対北事業に、あえてエネルギーを注ぎ込む必要はない、と判断する可能性もある。
一方、失う内容も少なくない。今すぐ対北事業の独占権をすべて放棄する覚悟を決めなければならない。
そして、韓国政府の間接的な圧力も排除できない。できる限り北側を刺激したくないという現政権の対北政策基調を考慮すれば、玄会長の対抗作戦は政府の対北政策と相反するためだ。
▲北朝鮮側が差し出すカードの損得
北側からしてみれば、玄会長に1発パンチを食らわされた、というのが本音だろう。また、どのような形であったとしても、現代峨山に北側の立場を伝達、ないしは示さなければならない窮屈な立場に立たされた。
北朝鮮側は、現代を開城観光事業などから完全に排除する「代案シナリオ」を、すでにまとめたようにもみえる。玄会長や現代グループとはいつでも別れる用意がある、との戦略を固めたようだ。
実際、最近の開城観光事業を現代グループではない、その他のグループに引き渡すこともできるとの意味を、直・間接的に伝えてきている。
とりわけ、先月末、平壌(ピョンヤン)で開かれた2005年平壌オープンゴルフ大会を観戦するため平壌を訪れていたロッテ観光の金基炳(キム・ギビョン)会長に、開城観光事業を提案している。
北側は平壌で平和(ピョンファ)自動車工場を運営している統一グループを含めたその他の企業にも、似たような提案をしたとされている。
また、ロッテ観光側が自分たちの提案を受け入れる場合、現代グループとの交渉でかなり優位な立場に立てるとみているようだ。
北側は開城に続き、白頭山観光の交渉においても、現代グループに対して明確なイニシアチブを握れるとの計算だ。
ハンファグループは対北リゾート事業に、SKグループは対北通信事業などに参加することを検討してきた。
しかし、その他のグループが、今すぐに現代峨山の抜け穴を埋められるというわけではなさそうだ。事業の先行きを計算しにくいためだ。
ハンファグループの高位関係者は「時期がよろしくない。北側が現代と争っている渦中に対北事業に跳び込むような計画はない」と公式的に否定した。
一方、玄会長はグループの経営陣たちとの話し合いなしに、先週末1人で「国民の皆さんに申し上げる文」を作成していたことが確認された。
12日午前、玄会長が、自身の作成した文章を発表する問題をめぐり、崔容黙(チェ・ヨンムク)現代グループ経営戦略チーム社長や尹萬俊(ユン・マンジュン)現代峨山社長ら一部役員を突然呼び出しているほか、参加者も驚いていたとの裏話もある。
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