食糧支援の国際機関を追い出す北朝鮮の事情
北朝鮮が国際社会の人道的食糧支援をこれ以上受け入れないとして、世界食糧計画(WFP)の平壌(ピョンヤン)事務所の閉鎖と食糧配給の監督要員の北朝鮮からの撤収を要求した。
北朝鮮の昨年の穀物生産量は、およそ420万トンで、国内必要量に90万トン不足している。
そのため、今年韓国政府から50万トン、中国から15万トン、WFPから10万トンの支援を受け、ようやく生き延びている。
一粒の穀物もおろそかにできない北朝鮮が、国際社会の支援を拒否したのは、国際機関の配給監督(モニターリング)が日増しに厳しくなる反面、支援の規模は減っていることによるものと見られる。
その反面、韓国政府による北朝鮮への食糧支援は、昨年の40万トンから今年50万トンに増えただけでなく、配給への監督も形式的なものに止まっており、北朝鮮にしてみれば、国際社会よりは、韓国に頼ることが体制への負担が少なくて済むという判断が働いたことは想像に難くない。
WFPは「接近なくして支援もない」という原則の下で、およそ100人の要員を動員し、一年間4800回の現場モニターリングを実施した反面、韓国のモニターリングはわずか10回に止まった。
しかも、WFP要員たちは、北朝鮮住民の家庭まで直接訪問しているが、支援食糧を持って訪朝した韓国側の公務員は、北朝鮮供給所の責任者の話を聞くことがやっとのことだ。
こうした事情のなか、米国の韓半島専門家であり、『北朝鮮の飢餓政治学』の著者であるマーカス・ノーランド国際経済研究所研究員が最近、「韓中両国の無条件の北朝鮮食糧支援が、国際機関が10年間築いてきた分配の透明性システムを損なっている」と指摘したことは当然のことだ。
北朝鮮に支援した食糧の25%から30%が一般住民に届かず、幹部層に流れているという分析も同時に出された。
韓国の北朝鮮への食糧支援には、年間数千億ウォンの国民の税金が投入されているが、飢えに苦しんでいる同じ民族を助けることに反対する人はまずいないだろう。
しかし、食糧を送りながらも、それが誰の手に入っているか確認さえしていない韓国式支援のため、劣悪な環境の中でも監視システムをきちんと稼働させている国際機関が北朝鮮を追われることは、見過ごすべき問題ではない。
人道的観点の北朝鮮への食糧支援が、北朝鮮住民のために使われているるかどうかを徹底して確認することは、支援する側の倫理的責務でもある。
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