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市内一帯が浸水した江陵

 「29年間、江陵(カンヌン)市内で文房具屋をしてきたが、こんな事は初めて」台風15号が去った1日昼、江陵市の中心街にあるミョンジュ洞で文房具の卸し売り業をしている李ホン(52)さんは店の前で呆然としていた。李さんは「3000万ウォン分の文房具がゴミと化した」と話す。70坪あまりの店の中には文房具を入れた大型ダンボールが泥まみれとなっており、床にはさまざまなノートや筆記道具、色紙などが散乱していた。

 李さんは「恐ろしい夜だった」と身震いした。先月31日午前から降り始めた雨がバケツをひっくり返したような暴雨になり、夜には店の中まで浸水した水が腰の高さにまで膨れ上がった。数千万ウォン分の文房具が濡れていくのを呆然として見つめるしかなかった。停電したために周りは真っ暗で、午前1時頃には市の外郭にあるオボンダムが氾濫するかもしれないという噂まで広まった。

 この日の朝、暴雨は弱まり、復旧作業が始まったが、江陵市内のいたるところに水魔が爪を立てた跡がくっきりと浮かび上がっていた。南大(ナムデ)川周辺の鷲岩(ノアム)洞のタンオ市場には市場の痕跡すら残っていおらず、市外郭のチャンヒョン貯水池付近の村の家屋20世帯は、貯水池が氾濫し家の跡さえ見つけることができない程だった。市内の中心街の店の中には急流に流された乗用車が放置されており、市内の道路と商店街は泥だらけだった。

 この日午後までも大部分の地域で停電または断水が続いており、携帯電話や電話さえ不通となり、20万人あまりの江陵市民は一時、外部と完全に孤立する状況にまで陥った。停電、断水の復旧作業も遅かった。

 地下で喫茶店を運営しているチョン・ソンヒ(41/]陵市・ヨンジ洞)さんは「明け方には水の高さが天井にまで達し、食器ひとつ持ち出すことができず、体ひとつで店を脱出した」と話した。

 先月31日午前9時10分頃、土砂崩れが起きた江陵市・旺山(ワンサン)面・テギ里~サプタンリョン間の国道35号線も同様だった。オボン山のふもとが突然崩れたために起きた土砂崩れによって、車10台あまりが埋まり、20メートル下のオボン貯水池に落ちたが、救助作業を進められずにいる。

 この日の深夜に再び起こった土砂崩れで、江陵方向からの進入路20メートルが豪雨のために遮断され、大型装備の進入が不可能となったためだ。警察は遮断された進入路を復旧するために、急傾斜の谷に鉄橋をかけ、臨時道路を仮設する作業を行う一方で、金テワン(28/太白(テベク)市・黄池(ファンジ)洞)さん、金サンギ(32/江陵農協旺山支所職員)さんなど、3人の遺体を発見した。

 生存者の金ジュベク(49/旺山面モッケ里)さんは「江陵市内から旺山面方面に向かって車を運転していたが、前方で起こった土砂崩れのために約10台の車が、あっという間に土砂に埋もれた」と語った。

 一方、江原道教育庁は江陵地域の小学校に2日の一日、休校令を出した。また同地域の高校に対しては校長の裁量によって休校の決定をするようにした。

江陵=崔元碩(チェ・ウォンソク)記者

李セミン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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